冬の旅(シューベルト Ⅾ.911)「おやすみ」

 若いころ、暗い内容の詩に元気が出てこないような気がして、この曲を好きにはなれませんでした。そして心を鼓舞するようなベートーベンの音楽をよく聞いていました。

 この作品は、ドイツの詩人ミュラーの詩に曲をつけたもので、恋に破れた青年が失意の旅に出るという内容で絶望感が伝わってきます。

 年齢を重ね、振り返っていろいろな人生の出来事を思い出してみると、苦しかった時のことが強く思い出されます。そしてこの作品に少しづつ共感を覚えるようになりました。

 私たちも孤独な旅人かもしれないけど、この作品を聴いていると、人間への愛が感じられます。