お釈迦さまの人生クリニック

スピリチュアリティー

 お釈迦様は出家した後6年間の苦行を行いましたが、苦行では悟れないと知り、その後菩提樹の下で瞑想に入り、ついに真理に目覚めたとされています。

 お釈迦様の説いたもので四諦(したい)があります。若い時にこの言葉を見たときに、よくわからなかったことを覚えています。もっとも詳しく調べようという気もなかったと思います。

 諦という漢字には「あきらめる」という意味がありますが、仏教では「真理」という意味になります。だから四諦とは四つの真理という意味です。

 有名な般若心経に「苦集滅道もなし」と説かれていますが、「苦集滅道」が四諦のことです。

 苦諦(くたい)とは、人生には苦があるという真理。

 集諦(じったい)とは、苦の原因は人間の愛執(愛欲、執着)にあるという真理。

 滅諦(めったい)とは、苦の原因である愛執を完全になくす(滅する)と涅槃の境地(迷いや悩みから離れた安らぎの境地)になるという真理。

 道諦(どうたい)とは、苦を滅する道(八正道)がある、という真理。

 お釈迦様を医者だとすると、人間の一生をしっかりと観察すると苦という病巣がある。その病巣を突き止め原因を取り除く。そうすれば病気はよくなる。病巣を取り除く方法はありますよ、ということになるのでしょうか。

 苦諦は、目覚めたお釈迦様からみた人間の姿です。普通の人が「人生は苦しいことが多いけど、こんなものさ」としてしまうことに解決する方法を説いたことになります。お釈迦様の人生クリニックとでもいうものでしょうか。

 もっとも、我々の持っている愛欲や執着する心をなくすことは簡単ではありません。こんな方法がありますよ、と言われても実行できなければ、絵に描いた餅になってしまいます。それにお釈迦様の時代と現代ではまるで社会が違います。

 それでもお釈迦様の教えは、その後およそ2500年の歴史を経た今も私たちの生活の中に溶けこんでいます。これはすごいことだと思います。