映画「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」の中で、シューベルト「冬の旅」の第5曲「菩提樹」が歌われるシーンがあります。
この映画に登場する若者、良介(中村雅俊)と幸子(大竹しのぶ)の結婚を祝うとらやの宴会で、幸子の伯父(築地文夫)が歌います。
築地さんは、プロの声楽家で「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」にも出演していて、恋する青年の父親を演じています。
なぜ、結婚を祝うおめでたい場面で恋に破れた青年の心情を歌った「冬の旅」なのか、最初は違和感があったのですが、そのあとの展開で分かりました。「男はつらいよ」シリーズのいつものパターンで、寅次郎はそのすぐ後で失意の旅に出ていく。「冬の旅」の若者は映画の寅さんと、また、慰めを与えてくれる菩提樹はとらや一家と重なっています。
なぜ幸子の伯父役はプロの声楽家でないといけなかったのかもわかりました。
