苦を見つめる

スピリチュアリティー

 私たちは、日々の生活の中で生きていくことで精いっぱいで、死のことなど忘れています。余裕があれば娯楽もたくさんあり、その日その日を楽しむことができます。もちろん人間がいつか死んでしまうということはわかっていますが、自分のこととして深く考えることはあまりありません。むしろ考えたくない、といったほうがいいかもしれません。病気になったり、高齢になったりして初めて自分のこととして考えるようになります。少なくとも私はそうです。

 しかしお釈迦様はそうではありません。太子という恵まれた境遇にいて、健康に恵まれ、いつも絹でできた服や肌着を着、季節に合わせて三つの宮殿に住み、三人の妃がいて子供も生まれ、女性に囲まれて暮らしていたと伝えられています。(こういうことを書くと男の立場からの考えだといわれそうですが。)

 こんな一見幸せな境遇のなかで、人間の苦(四苦八苦)など人生の問題について悩み、直視し、29歳のとき、妻子を捨てて、城を出て出家し、本当の幸せとは何かを追求した人のようです。